SSブログ
楽しい資産運用 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

DOWAホールディングの株主総会 ~優雅な空間、香り高いコーヒー~ [楽しい資産運用]

続いてDOWAホールディング。以前の同和鉱業です。私としては、多分バンダイナムコの次に出席回数が多い株主総会です。なんといっても、毎回椿山荘で開催ですから。優雅な空間で行われる総会、瀟洒な日傘でも差して、ゆっくり歩いて出かけたいようなイメージではありますが、現実にはそこまで余裕は無く、今日も愛車ママチャリで乗り付けたのでした。始まるまでしばしの間、緑の庭園を眺めながらコーヒーを頂きます。会場では、バイオリンとピアノの生演奏が流れています。

この会社については、取締役会も株主総会も、外形的には特筆すべきことは全然ありません。もう本当に、よくある古臭い会社と言う感じ。社外取締役はいらっしゃいますが、あまり機能しているとも思えないし、株主総会も出席者は高齢者が多く、特に変わった趣向はありません。ただ出席者の傾向には、他にない特徴があります。ご婦人が多いんですね。

その事情は想像に難くない。総会のあと、軽い食事が出るのです。優雅なテラスで、椿山荘のお食事ですよ。当然皆さん、これを目当てにいらっしゃるのでしょう。私だっていつも楽しみです。ご夫婦での参加、母と娘、お友達同士と思しきご婦人方、若い男性もいますね。どういった株主さんなのだろう、と想像してみますが、きっと元社員とその家族が多いのでしょう。ですから総会も、どことなく家族的。リーマンショックの頃、業績が大きく落ち込んだ時の総会は、さすがにとげとげしかった覚えがありますが、今日などは穏やかなものです。

こう書いてくると、まるで無駄だらけのダメ会社のように聞こえるでしょうか。贅沢なホテルで食事までついて、と。椿山荘というのも、運営する藤田観光の筆頭株主が、DOWAなのですね。非鉄の会社がホテルなんて、まあ無駄といえば無駄、機関投資家的には×です。でも株主総会では非難は出ません。皆さんこれが楽しくて参加するわけですからね。私も個人投資家で良かった、と思わずにはいられません。

無駄はどこまで本当に無駄なのか、その辺りはすっぱり割り切れるものでもない、と思ったりもします。この「地元の名士」的な鷹揚さは無駄なものなのか、と。本社は東京ですが、地元は秋田。椿山荘とのかかわりは知りませんが、会場で演奏しているバイオリニストとピアニストは、毎回秋田の若い演奏家を呼んでいるのです。地元の若者をプロモートしたり、元社員の集う場を提供したり、こうしたことのどこまでが、本当の無駄なんでしょうね。

総会には趣向は特にないと書きましたが、総会の後、懇親会として、毎年何かのテーマに沿ったプレゼンテーションと、製品の展示があります。何度も出席しているうちに、結構会社のことがわかってきます。展示コーナーも賑わっていて、社員の方が熱心に説明して下さるのは、とても好感が持てます。苔を使って金を回収する、なんて話は面白かったですよ。

プレゼンのテーマは、事業のグローバリゼーションでした。総会では大した話は出ませんが、こちらの説明会では色々と興味深い話を聞くことができます。この会社の製品は素材なわけですが、売上の4割弱は自動車産業に行くんだそうです。だから海外拠点も、自動車産業のあるところ。中国は金属リサイクルの拠点が多い。海外での売り上げは全体の20%位ということですが、顧客を通して行くものも含めると、売上の7割くらいは海外に行っているだろうという話でした。

原料については、メキシコとカナダに亜鉛や銅の鉱山も持っていて、各々使用量の25%、15%を調達しています。アフリカへの取り組みについて質問が出たのですが、昭和30~40年代には鉱山も持っていた、という話でした。ところが資源ナショナリズムが起こって、すっかり追い出されてしまったのだとか。アフリカなんて、日本はやっと最近になって進出を始めたばかり、というイメージですが、そういう歴史もあったのですね。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

バンダイナムコ  ~好きだな、こういう株主総会~ [楽しい資産運用]

株主総会巡り、今週初めは3連ちゃんでまいります。

まずはバンダイ・ナムコ。これは毎年のように出かけています。出席票が、ナンジャタウンのパスポート引換券になっていて、子供が楽しみにしているもんですから。ところがいきなり事件発生。今年はナンジャタウンじゃなくて花やしきだったんですよ。息子はがっかりするだろううな~と思いつつ、気を取り直して総会がスタート。

別にタダ券のためだけに来ているわけではなく、この総会は私の気に入りの一つ。まず、株主の年齢層が若くて雰囲気が明るい。株主である以上にユーザーです、という感じがありありと出ていて、事業にも製品にもとても関心が高いことが分かります。株主の発言は非常に活発。オタクっぽい株主も多くて、アニメにもゲームにも疎い私には???な内容のものもありますが、どれもそれなりに真面目な質問や提案です。こんな商品が売れるんじゃないかとか、このサービスはこうしたらいいんじゃないかとか、このキャラクターはこう活かしたらいいんじゃないかとか…。

それからこの総会のとても良いと思うところ、誰でも出来ることなのに、どうして他ではやっていないのだろう、と思うのは、審議の対象となる役員全員が、スピーチをすることです。一人一人が、自分は何をするために居るのか、何をやってきたか、これから何をするつもりか、そんな内容です。社外取締役も同様です。この人どうでしょうか、と聞いておきながら、なんのアピールもしないなんて、そちらの方が違和感ありますよね、考えてみれば。

さらに株主には、決議事項に関してだけの質問タイムもあり、役員スピーチの後には、各役員に対しての質問も結構出るのですね。○○さんの担当している××事業は今後どうするのか、というように。これですと、ちゃんと審議した気になります。総会は形式的なものだから審議しなくていいというわけではないでしょう。役員の皆さんも、大勢の株主の前で「やります」とおっしゃることで、株主に対する責任もしっかりと感じることができるのではないでしょうか。

さて業績についてですが、終わった期は良い決算でした。業界の構造が変わって大変な逆風の吹いていたゲームのコンテンツが、とにかくすごく良かった。ソーシャル・ゲームという時流に乗った分野の商品が、期初の想定売上150億に対し495億も売れたんだそうです。これだけで利益も大きく上振れ。他の部門は良くて横ばい、という感じなので、今期の業績予想を減収減益で出しているのも肯けます。いずれにせよ、ゲームが良くなることがやっぱり大事、ということがよくわかりました。とにかく、新しい流れからとり残されずにすんだようで、ひと安心でした。

総会会場の外では、商品紹介のための展示、実演、キャラクターとの写真撮影会や握手会などなど、好きな人には楽しいイベント。今年は無かったけれど、アニメの上映があったりもします。家族連れで来ている人も結構多く、小っちゃい子どもたちがゲームしたり、キャラクターと握手したり、楽しそうです。

HOYAの株主総会  ~経営者の定義って何?~ [楽しい資産運用]


昨日も結構、株主総会が集中していました。どれにしようかな、とちょっと迷ったけれど、HOYAにしました。

以前はよく近所の椿山荘で開催されていたこともあって、何度か出席しています。かつてはピカピカの優等生でしたが、エレクトロニクス業界全体の退潮と共に輝きを失い、不安の種だったPENTAXを目出度く売却してホッとしたのはいいんですが、業績が特によくなっているわけでもない。このままパッとしない会社になってしまうんだろうか、という辺りを考えてみようというのが一つ。あと一つは、コーポレート・ガバナンスに対する興味でしょうか。株主提案がどう扱われるかも見てみようと思ったわけです。

前回出席したのは2年前、1人の株主からたくさんの株主提案が出され、緊張感漂う総会でした。どうも所謂お家騒動の一種らしいのですが、私もその時は、いつの間にこんなことに…と面食らいましたね。きっとそれ以来、同じように続いているのでしょう。今回の総会では、もう慣れっこになってしまっているというか、提案者の発言にも迫力は無く、適当にあしらわれて終わった、という感じです。

株主提案の趣旨は、ガバナンスをもっと充実させるための定款の変更で、賛同できるものが無いわけではありません。会社の側は、別に株主提案に真っ向から反対するわけでもなく、むしろ「おっしゃることよーくわかります、その通りなんですよね」と来て、「提案されていることは、実際は既に行われていることがほとんどで、定款に記載するには細かすぎる」と回答したのでした。喧嘩にもなってない。

提案者は、経営にも業績にも不満で、経営者は交替すべきだと言う。そういう意見があっても良いでしょう。ただそこで、「マイケル・ウッドフォードに代われ。」などと、昨今あまりにも話題になり過ぎた人物の名前を持ち出すものですから、ますます発言の重みが無くなってしまうという結果をもたらしました。

事業については突っ込んだ話も出ず、特に面白い発言もありませんでした。私は2年前の総会の感想に、「取締役会から事業の香りがしない」と書いています。今回はさらに「事業の香り」が消えて、総会でも、事業内容を話題にしようという雰囲気にさえなりません。社外取締役を充実させたHOYAのガバナンスは、専門家の間では優等生とされていますが、このグローバル・スタンダード(またはアメリカ式?)に忠実にガバナンスを進めると、こういう事業の香りのしない経営陣になるのは必然なんでしょうか。社内のモラルに何か悪影響はないのでしょうか。…2年前に感じた疑問を、全くそのまま感じました。

きっと、事業に関わることは執行役の仕事の範囲で、取締役は正に取り締まるのが仕事、事業の現場に直接関わる経営判断をするわけではない、と理解すべきなのでしょう。HOYAの取締役の面々を見ていると、「経営」という言葉は何を指すのか、その定義がよくわからなくなります。

総会の間、改めて資料に記された事業内容を眺めていましたが、何だか退屈な会社になってしまったなあ、という感じです。エレクトロニクスの苦境はまだ続きそうです。この事業にはもう、何か革新的なものを生み出していくという勢いは感じられません。今後は益々、コンタクトレンズと内視鏡中心に、ヘルスケアを柱とした企業になっていくのでしょう。別に退屈なことが悪いというわけではありません。ただ、退屈な株主総会ならば、もう出席する必要はないかもしれません。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

ABCマートの株主総会 ~La Crossって、どんなブランド?~ [楽しい資産運用]

私の保有している中でも優等生の成長企業です。株主総会には一度出てみたいと思いながらいつも都合が付かず、今年が初めてです。

ひと言で言って、超、地味な総会でした。業績に勢いがあって、AKBの誰とかを使ったテレビCMを流しているし、部分的にはファッション性もある大手小売業です。もう少し活発な感じかなあ、と思いましたが、こじんまりと、参加人数も少なく、スライドもほとんど文字と数字とグラフばかりでできた、私でも作れそうなもの。株主からの質問もたった3件。別に問題は無いんですが、株主をあまり意識してない感じがよく表れていました。

まあそれも無理はないんです。業績は伸びている、利益率も良い、株主資本比率は高い、それなのにRoEは高い、だからRoAは当然高い、キャッシュはある。はい、文句ありません、というわけです。実際私も文句ありません。コーポレート・ガバナンスがどうこうとか言い出せば難癖はつけられるだろうけれど、個人株主は業績の良い会社には甘いのだ。でもそれが一番大事なことだから。

私が聞きたかったことは、海外展開。国内ももちろん大事ですが、海外についてはまだまだ未知数である一方、伸びるとすればその余地は遥かに大きい。ハイリスク、ハイリターンですね。今回の決算は、米国で買収したというLa Cross なる会社が下期から加わっています。プレゼンテーションによれば、これは革のブーツのメーカーで、8月に米国で1号店を開くと言っていたから、今は小売りはやっていないということですね。ABCマートは男性用ブーツの供給を受けていて、既に売上に貢献しています。

年間の売り上げが円で100億ちょっと、利益ははっきりしないけれど、質問の答えから類推すると5億と10億の間ぐらいは出るのかしら。日本で知られているものとしては、Timberlandに近いようです。プロ仕様・業務用のブーツってどういう感じのものか、帰ってから改めてウェブサイトを見てみたら、ハンティング…狩猟ですね、が、題材になったビデオを使っていた。かなり本格的です。私はファッションのことはよくわかりませんが、女性用のブーツなんかは、日本であまり見ない種類のものだし、スポーティーだけれど、想像したよりはずっと可愛くて、結構いいかもしれない、と思いました。

アメリカで買収、と最初に知った時は、既にスニーカー屋さんのチェーン店ってたくさんありそうなのに、小売りに出て行って大丈夫かなあ、と思いましたが、とりあえずは「ABCマート」的なものを展開するわけではないようなので、そちらの心配は無さそうです。しっかりした靴を作っているし、それを日本で売るのが基本のビジネスとすれば、それほどリスクの高い買収をしているわけでもないと言えるでしょう。
あまり盛り上がらない総会でしたが、La Crossについて聞けたことだけは収穫でした。

会場が表参道だったので、帰りはランチでも食べて帰ろうかなあ…と思っていたら、総会は1時間もかからずに終わってしまいました。11時前の表参道なんて、まだ半分眠った街。それよりなにより、私、財布を忘れて出かけてしまいました。Pasmoがちゃんとチャージされててよかった。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

花王の株主総会 ~製品はいいのだけれど~ [楽しい資産運用]

昨年はほとんど株主総会に参加することができませんでしたが、今年はまた総会通いを再開したいものです。

そこで今シーズン1本目の総会レポートは花王です。
記録によると、私が前回出席したのは2010年6月。もうすぐ3年ですか…早いものです。決算期が3月から12月に変更になったので、総会も3ヶ月早まりました。

総じて言えば、品行方正な優等生という感じの総会でした。成長株とは言えませんが、業績は安定しているし、何せ今回決議分を含め、23期連続増配ということですから、実際に優等生なのです。

ただ、私の花王に対する印象はずっと変わっていません。90年代の後半、この会社に投資し始めた頃は、遥かに高い期待を持っていたからです。当時働いていた会社の香港のスタッフが、日本に出張に来るたび、評判がいいからと言って、お土産にBioreのクリームを買って帰るのを見て、「中国経済が発展したら、花王はどんなにか爆発的に伸びることだろう」、というわけで、投資したわけです。

果たして中国経済は大きく成長しました。しかし、花王が中国、または他のアジアで注目を浴びている、という話はついぞ聞きません。私は花王の製品は本当に良いと思っているので、残念でたまりません。本気でグローバル企業になろうという気があるのか、疑わざるを得ない。それがずっと私の抱いている印象です。

この分野で、世界大手の一角として存在感を示す実力があると思うのです。それなのに、世界のマーケットを真剣に知ろうとしていない。真のグローバル経営を学ぼうとしていない。そんなふうに見えます。メディアを通して伝わってくるメッセージは、相変わらず「研究開発」。もちろんそれは会社のカラーだからよいのですが、今最も欠けているもの、最も必要なものは、グローバル市場で存在感を出すためのマーケティングじゃないのでしょうか。

ということで、早速株主質問。回答は、過去にはハイエンドを狙いすぎたので、少し下の中所得層、ボリュームゾーンを狙う、という内容です。あ~あ、これって、3年前に言ったことと全く同じ。私はその時のメモで既に「遅きに失した判断」と書いています。それからこの点について、全く進歩していないということです。ちょっとがっかりですね。この回答に満足できなかった方はやはりいらしたようで、後でほぼ同じような質問が出ました。

女性の役員についても、それほど進歩は無かったようです。この点についての質問も、やはり3年前に出ていますね。その時、やっと1人女性の執行役員が誕生するのだと聞きました。そして今もその方お1人だけのようです。

というわけで、悪くはないけど何だか不満、という相変わらずの印象。動きがとてものろい感じですね。

昨日(株主総会の翌日)製品発表となった「ヘルシア・コーヒー」、会場で頂きました。全く普通のコーヒーです。私はメタボとは今のところ縁が無いけど、気にする人には受けるかもしれませんね。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

第一三共の株主総会 [楽しい資産運用]

もうそろそろ書いておかないと、株主総会の話は時季外れになってしまいますね。
最後の一社は第一三共。6月27日でした。

第一三共はもう何度も出ていて昨年のメモにも書いたのですが、ランバクシーの買収を決めた直後、業績の勢いがあった時の株主総会はとても良いと思ったのです。わが社の事業を見てくれ、というアピールがあったのですね。話を聞いていても、何を考えて経営しているのか、メッセージというものがありました。

しかしリーマンショックで業績が落ち込んだり、ランバクシーでトラブルが発生して高い買い物をしたんじゃないかと言われたり、株主総会では社外取締役の顔ぶれにケチがついたり、といった状況が影響したのか、その後の株主総会は、だんだん中身が薄くなっているように感じます。今年もその延長線上にあります。

第一三共のIRがとりたてて悪いとは思いません。ただこの会社は株主総会を、株主に事業をアピールする場から、ひたすら無事に終わらせる対象へと方針変更したようです。質問に対しての答えも、ほとんどがお役所答弁で、語るに値しない。

株主質問でも、プレゼンの内容が書類のまんまでここに来る意味がない、という指摘がされましたが、答弁はなんとなく笑ってごまかしているという風にしか見えませんでした。今期の予想値が低い理由や、中期利益目標の実現性など、私も知りたいと思う質問もありましたが、どれもほとんど答えていませんでした。社外取締役など、コーポレートガバナンスに関する株主質問も出ませんでした。

来年こそ、出席するのやめようと思います。ネット上で見られる経営説明会の方が役に立ちます。会社も総会の出席者が少ない方がうれしいんじゃないかしら。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

東レの株主総会 [楽しい資産運用]

少し時間がたってしまいましたが…

東レは6月24日の金曜日。第一印象は、入場時の手際の悪さ。総会中も株主から苦言が呈されましたが、受付で15分も並ぶなんてどういうことでしょうか。これまで混みあった株主総会はいろいろ行ったけれど、今回の東電を除けば経験ありません。少々横道にそれますが、国際フォーラムという会場は、そもそもあまり出来が良くないんじゃないかしら。以前コンサートで来た時も、上の階へのアクセスがとても悪いというか、人が多いとすごく時間がかかると思った覚えがあります。

総会自体は、印象に残る内容はあまりありませんでした。工夫のされたプレゼンテーションも無く、とりたてて面白い質問も出ず、株主の一人が発言なさったように、只々まじめな感じで。色々面白い製品を手掛けているんじゃないかと思うんですが、展示コーナーのような企画もありませんでした。

財務諸表を見ると、株式の発行で資金調達した分がそのまま債務の削減に回っているので、何だかな~と思って聞いてみました。結論は、その前の期の末近くに大きな設備投資の出費があり、とりあえずつなぎの借入で賄っていたのを、期をまたいで公募調達して返済した、ということでした。要するに、もともと株で調達して投資しようと思っていたんだけれど、順序が相前後してしまいました、ということですね。まあ事情は分かるけど、何もそっくりそのまま返済に回すことないんじゃないの、という気分は残ります。財務体質の強化が急務っていうほど悪いわけではないし、公募に応じる株主の側からすれば、自分の払い込んだ分がそのまま銀行に流れてるってことには変わりありませんからね。

それにしても、株主総会に出てみるまで気付かなかったけれど、東レって経常利益が過去最高なんですって。それでこの株価ですか。一応中期計画で、3年後の営業利益が1.5倍くらいになるっていう目標なんで、その通りになれば結構な伸び率だと思うんですけどね。市場はこれを信じてないってことなんでしょうかね。もう少し配当が出ると、文句なしに株価は安いって感じになるんですが。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

やっぱり大紛糾の東京電力 [楽しい資産運用]

さて、金曜に東レ、昨日は第一三共の株主総会に出ましたが、先に今日の東京電力について、総会の印象だけ簡単に記しておきましょう。不運にも高い入場料を払ってしまったので、又とない機会と思って出席してきました。最寄り駅には30分前についたんですが、延々と列に並び、やっと第三会場に着席できたときは、開会時間を5分ほど回っていました。私は3時間余りその場におりましたが、あと2時間はかかりそうだなと思って帰ってきたら、夕方5時のニュースで、6時間かかって先ほど終了した、と言っておりました。

東電に関しては、株価分析はもうほとんど意味をなしません。普通の会社なら存続し得ないわけで、あとは政治の判断です。生き永らえるにしても、配当がもらえるのはいつのことやら。いや、いくら株主であっても、軽々に配当を出す判断などしたら怒りますよ、税金で助けられるわけだから。そして配当の出ない電力株は、ほとんど持っている意味はありません。東電株に残る価値は、経営に参加することぐらいと言ってもいいでしょう。買収できるくらいお金があったら意味があるんですけどね。

事前質問も190あったとのことですが、総会でも想像通りの多くの質疑応答がなされました。と言っても聞く価値のあったのは質問の方で、回答は殆どメモする気にもなれません。柏崎からここで発言するために来ている人もいました。20年以上株主総会に通って原発反対を訴え続けているという人や、株主の力で脱原発を!と弁舌ふるう活動家もいました。現実の放射能汚染を心配する発言も多く、私が常々思っている、福島の子どもたちを疎開させよ、という主張も出ました。

株主は皆それぞれに憤っているわけですが、皆に共通する怒りは、壇上に並ぶ幹部はじめ、東京電力で責任ある人たちが、十分責任を取っていない、ということでしょう。役員報酬が半分でも出ること、OBたちが企業年金を受け取り続けること、勝俣会長をはじめ何人もの取締役が、辞めずに再任されようとしていること。…あの勝俣会長という方は、柏崎から来た質問者も言っていましたが、ホントに、あなたまだ居たの、という感じです。以前の刈羽でも大事になってるのに、また再任取締役の中に名前がある。しぶとさで名を挙げた現首相など、かわいく見えてしまうくらいです。

発言中に、原子炉に飛び込んで死ね、と怒鳴った人がいてちょっとびっくりしましたが、ただ怒りをぶつけるだけというよりは、まじめに国を憂える気持ちが伝わってくる発言も多く、なかなかのドラマでした。第一会場はずっと怒声が飛び続けていましたが、別会場にしか入れず、臨場感が今一つでちょっと残念。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

JFEの株主総会  [楽しい資産運用]

6月22日はJFE。今回初めての出席です。

最近の株主総会は、出席票を首からかけるスタイルが一般化していると思うのですが、ここで渡された縦長の厚紙。これって背広の胸ポケット用なんですよね。ちょうど番号だけ見えて、うまく収まるようにできています。そういう株主総会なんですね。実際女性も若者も少ないけれど、今年は節電の夏。さすがにおじ様がたも、シャツにノーネクタイが多いようです。

事業内容は、環境関連のエンジニアリングですとか、燃費の良い船ですとか、テーマとしては面白いし、技術も将来性もあると思いますが、そうはいってもやはり鉄鋼会社です。業績のほとんどは、鉄鋼の売り上げが伸びたかどうか、それに加えて原料価格がどうだったかで決まってしまいます。

去年は2009年に比べれば、ずいぶん良くはなっていますが、株価は今年に入っても下がり続けています。数年前8000円あったものが、2000円ぐらいですからね。利益を見れば当時の1/3ほどになっているので、仕方ないと言えなくもありませんが、BPSは2700円あることになっていますよね。売り上げは3兆円以上あって時価総額は1.3兆円。将来性はゼロ以下、という評価になってしまっている感じですね。世界最高水準の技術だと言いながらこの株価。大量買い付けに対する対抗策の継続が、総会の議案の最後にもありましたが、まじめに買収を心配した方がいいっていう株価です。

実は株主質問で、大量買い付けの対象になるという事態をどのくらい現実感を持って想定しているのか、と聞こうかと思ったんですが、この日は結構後ろの方に座っていたこともあり、挙手しているうちに時間が長くなって自分で退屈してきてしまい、聞かずじまいとなりました。他の株主質問に対する回答も聞いていてあまり面白くなかったし…。

考えてみれば、模範的サラリーマンの親玉のような男性に、面白い話をしろといっても無理なような気もします。でも、自分の言葉で事業に息を吹き込むような、そんな話ができなければ真のグローバル・リーダーにはなれないのだ、という話を、数か月前にある講演会で聞きました。世界中の社員と顧客を惹きつけられなければいけません。株主に感動を与えるぐらいは、準備運動だと思っていただきたいですね。

株主質問では、偽装請負に関するものがいくつか出ました。中には実際ラインで働いている株主もいて、現場を見ているわけです。偽装請負の実態があるのだから、事実は事実と認めて潔くやってほしい、という意見。もちろん私は現場を知りませんから内容の判断はできませんが、おっしゃることは至極もっともです。常識的な市民感覚と言いましょうか。今や市民が裁判に参加する時代。こうしたコンプライアンス上のトラブルも、良識ある解決をしてほしいものです。

株主質問が長くて、子どもの下校時間が近づき、初めての途中退席かなあ、と思っていたら、そろそろ採決に移ってほしいという意見が株主から出され、私も最後まで参加することができました。

タグ:JFE 株主総会
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

株主提案20件! HOYAの株主総会 [楽しい資産運用]

6月21日火曜日。HOYAの株主総会は、色々と考えさせられました。

今回は株主からの提案が20件もあって、まともに審議したら、いったい何時間かかることだろうと思って出かけたのですが、実際この株主提案のおかげで事業報告がものすごく簡潔に済まされてしまいました。招集通知と共に届く事業報告書も、あれ、いつもこんなに端折ってたっけ?というくらい簡単で、事業がどうなっているのかイメージが湧かない。しかし総会の場でも、報告書以上のプレゼンテーションは無かったのです。

もっと事業のことを知りたいと思う間もなく、話題の中心は株主提案に移りました。なにしろ20件ですからね。提案者はほぼ一人。招集通知によると380個も議決権を持っているってことですから、いい加減な冷やかしではできません。内部のことをよく知っている人物でしょうか。たくさん提案は、ほぼすべてコーポレート・ガバナンスに関して定款変更を求めるものです。定款に盛り込むには内容が細かすぎたり、少々行き過ぎていたりということはありますが、そこそこまともな内容で、部分的には納得できます。簡単に言うと、同族経営や社外取締役中心の取締役会に対する不信感の表れ、と言っていいと思います。

残念なことに、書面ではきちんと書かれているんですが、この株主氏、話しているうちにどんどん早口になって、ついには何を言ってるんだかわからなくなっちゃう。聞いてる方は、彼の怒りのレベルについていけなくなってしまいました。総会の場では、賛同する株主はほとんどいなかった感じです。

でも総会を通して発言を聞いていると、提案者の気持ちもなんとなく想像がついてきました。業績は良くない。旭光学の買収は気に入らないし、HDD事業の縮小も納得行かない。経営戦略が間違ってるんじゃないのか。取締役たちは本当に能力があるんだろうか、と思って見てみると、社外取締役が多くて、HOYAの事業をどこまでよくわかっているのか心もとない。今後の事業の柱となるはずの医療機器を率いるのは、日産自動車から来た人物だが、なぜ自動車?そもそも社長が一族の御曹司だ。これで大丈夫なのか? …と、こんな感じではないでしょうか。それが20の株主提案となって表れているように思います。

昨年のエーザイ、2年前のHOYAの株主総会のメモにも書きましたが、私は社外取締役というものには懐疑的です。ただ、2年前私は「HOYAは社外取締役によるガバナンスを信じて真面目に取り組んでいる、珍しい会社なのだ、と好意的に見ています。」と書いていました。通常の会社の「社外」取締役はとても取締役を監督できるとは思えないけれど、HOYAについては監督できるくらいの重鎮を揃えているな、と思ったのです。

しかし、社外取締役というシステムは機能しているにしても、こうして業績が落ち込み、将来像も見えにくくなってくると、このシステムの欠点が非常に気にかかるわけです。つまり、社内を取り締まる役割は果たしても、正しい経営判断をする役割は果たせないんじゃないか、という疑念です。

実際こうして総会でひな壇に並ぶ高齢の重鎮たちを眺めていると、なんだか全く「事業の香り」がしないのですね。委員会方式ですから「指名」や「報酬の決定」はするけれど、「事業」はやっていない。そんなふうに見えるわけです。ずっと以前、株主総会の出席者が十数名しかいなかった時代から株主だったという方が、以前はもっと事業の成長について語り合ったものだ、今の取締役会は何をしとるんだ、というような発言をしていましたが、その気持ちはよくわかります。このような取締役の面々を見ていると、どうも愛着が湧かないとでも言いましょうか、頑張れよ、という感じにならないのですね。

愛着が湧かないからと言って、取締役会がうまく機能してない、とは判断できませんが、このように社内から昇進する取締役が極端に減ってしまうと、社員のモラルが落ちるのではないか、という疑問はやはり残ります。そして、こんなことまでして取締役を監督する必要があるんだろうか、という疑問に至るのです。やはりこの発想は、日本にはなじまないのではないか。取締役に多くの外国人が入ってくるほどグローバル化しているわけでもないのに、HOYAにそこまでやる必要はなかったのではないか、と。

株主の立場に立って監督する、という性悪説的な発想は、極めてアメリカっぽい。愛社精神のかけらもない人物が取締役に紛れ込んでしまう、という事態を、日本企業に想定する必要がどのくらいあるのか、という話です。企業文化が違えばコーポレート・ガバナンスのあり方も違ってきて当然ではないでしょうか。

取締役会について、ガバナンスについて、色々と考えることのできた株主総会でした。本当はもっと事業のことを聞きたかったんですが、あまりに雰囲気が悪く、久しぶりに最後まで質問せずに聞いておりました。ただ、一番聞きたかったことは他の株主さんが質問してくれました。デジタルカメラ事業の戦略について、ですね。一眼レフのみ注力、とのことです。コンパクトは既に自社生産はしていないが、小売店の棚を確保するためだけにやっている。PENTAXのブランドを存続させるために、HOYAの傘下に無い方が良いと思えば売却も考える、ということで、それ自体は納得できる説明でした。

先日のナムコの話じゃないけれど、以前はあんなに儲かった「デジタル」関連の利益がどんどん薄くなって、生活密着型の事業に焦点を合わさざるを得なくなる。その時に依然と同じような、会社としての強味を発揮できるのか…?医療機器で存在感を示せる時まで、我慢の日々、ということでしょうか。

タグ:HOYA 株主総会
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:
前の10件 | 次の10件 楽しい資産運用 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。