SSブログ

DOWAホールディングの株主総会 ~優雅な空間、香り高いコーヒー~ [楽しい資産運用]

続いてDOWAホールディング。以前の同和鉱業です。私としては、多分バンダイナムコの次に出席回数が多い株主総会です。なんといっても、毎回椿山荘で開催ですから。優雅な空間で行われる総会、瀟洒な日傘でも差して、ゆっくり歩いて出かけたいようなイメージではありますが、現実にはそこまで余裕は無く、今日も愛車ママチャリで乗り付けたのでした。始まるまでしばしの間、緑の庭園を眺めながらコーヒーを頂きます。会場では、バイオリンとピアノの生演奏が流れています。

この会社については、取締役会も株主総会も、外形的には特筆すべきことは全然ありません。もう本当に、よくある古臭い会社と言う感じ。社外取締役はいらっしゃいますが、あまり機能しているとも思えないし、株主総会も出席者は高齢者が多く、特に変わった趣向はありません。ただ出席者の傾向には、他にない特徴があります。ご婦人が多いんですね。

その事情は想像に難くない。総会のあと、軽い食事が出るのです。優雅なテラスで、椿山荘のお食事ですよ。当然皆さん、これを目当てにいらっしゃるのでしょう。私だっていつも楽しみです。ご夫婦での参加、母と娘、お友達同士と思しきご婦人方、若い男性もいますね。どういった株主さんなのだろう、と想像してみますが、きっと元社員とその家族が多いのでしょう。ですから総会も、どことなく家族的。リーマンショックの頃、業績が大きく落ち込んだ時の総会は、さすがにとげとげしかった覚えがありますが、今日などは穏やかなものです。

こう書いてくると、まるで無駄だらけのダメ会社のように聞こえるでしょうか。贅沢なホテルで食事までついて、と。椿山荘というのも、運営する藤田観光の筆頭株主が、DOWAなのですね。非鉄の会社がホテルなんて、まあ無駄といえば無駄、機関投資家的には×です。でも株主総会では非難は出ません。皆さんこれが楽しくて参加するわけですからね。私も個人投資家で良かった、と思わずにはいられません。

無駄はどこまで本当に無駄なのか、その辺りはすっぱり割り切れるものでもない、と思ったりもします。この「地元の名士」的な鷹揚さは無駄なものなのか、と。本社は東京ですが、地元は秋田。椿山荘とのかかわりは知りませんが、会場で演奏しているバイオリニストとピアニストは、毎回秋田の若い演奏家を呼んでいるのです。地元の若者をプロモートしたり、元社員の集う場を提供したり、こうしたことのどこまでが、本当の無駄なんでしょうね。

総会には趣向は特にないと書きましたが、総会の後、懇親会として、毎年何かのテーマに沿ったプレゼンテーションと、製品の展示があります。何度も出席しているうちに、結構会社のことがわかってきます。展示コーナーも賑わっていて、社員の方が熱心に説明して下さるのは、とても好感が持てます。苔を使って金を回収する、なんて話は面白かったですよ。

プレゼンのテーマは、事業のグローバリゼーションでした。総会では大した話は出ませんが、こちらの説明会では色々と興味深い話を聞くことができます。この会社の製品は素材なわけですが、売上の4割弱は自動車産業に行くんだそうです。だから海外拠点も、自動車産業のあるところ。中国は金属リサイクルの拠点が多い。海外での売り上げは全体の20%位ということですが、顧客を通して行くものも含めると、売上の7割くらいは海外に行っているだろうという話でした。

原料については、メキシコとカナダに亜鉛や銅の鉱山も持っていて、各々使用量の25%、15%を調達しています。アフリカへの取り組みについて質問が出たのですが、昭和30~40年代には鉱山も持っていた、という話でした。ところが資源ナショナリズムが起こって、すっかり追い出されてしまったのだとか。アフリカなんて、日本はやっと最近になって進出を始めたばかり、というイメージですが、そういう歴史もあったのですね。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。