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ここまで嫌われちゃったのか [世の中もうちょっとなんとかなんない?]

「日本改造計画」を著した頃の小沢一郎さんは、海外メディアにたいへん好かれていました。少なくとも、私のいた金融業界ではそうでした。私の記憶が正しければ、小さな政府志向で、規制緩和などを主とした改革論者で、しがらみのない合理的な目で見れば、きわめてまっとうな議論をする政治家でした。私もかの著書を読み、人物的に好きにはなれないものの、彼の考えには共鳴するものを感じました。

当時一緒に働いていたオーストラリア人やイギリス人の同僚が言うには、彼のように人の目を見て話すタイプの人は信用できる感じがする。対して、その頃人気のあった武村正義氏などは、目線の定まらない話し方をするので、何か隠してるんじゃないかと疑わしく見える、というわけで、国内ではともかく、外人には信頼されていたのです。

あれから月日は流れ、とうとう小沢氏は、首相の椅子を争うことになりました。今の小沢氏を見る海外メディアの目は、かつてのように好意的ではないことは分かっていましたが、先週届いたThe Economist誌にのった論評を見て、好意的ではないどころかあまりの厳しさに驚きました。「日本の民主主義とその将来のために、民主党は、must reject Mr. Ozawa」とまで書かれているんです。彼はここまで嫌われてしまったんですね。

「日本改造計画」の頃とは違って、今や彼の理念も政策も、もはや海外メディアの目を惹きつけません。彼の政治スタイルが大きく変わったわけでもないのに、民主主義の敵、という扱いを受けるまでになってしまったのは、小沢氏の政策論がそこまで劣化してしまったということにほかならないと思います。十分に合理的な議論をしていれば、彼の政治手法が非民主的だという見方に、記者がここまで賛同することはないと思うからです。よくテレビで田原総一郎さんが小沢氏を評して、彼は政局には熱心だが政策には全く興味が無い、と言っていました。それは極端にしてもかなり当たっていると思わざるを得ないほど、小沢氏の政策論は説得力を失ってしまったのです。

私は今回の党首選については、世のマジョリティーの一人ということになるでしょうね。どちらが党首になってもあまり良くなるとは思えない、であれば、ころころ首相を変えるようなことをして、世界中の笑い物になるようなことはやめてほしい、という気持ちです。

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