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金融リテラシー [世の中もうちょっとなんとかなんない?]

私の属する金融関係のコミュニティーでは、日本人一般の金融リテラシーの低さは大問題だ、という認識があります。コツコツと真面目に目の前の課題を解決してゆけば、生活するためのおカネは後からついてくる、というのが、高度成長期までの日本経済が幸せだったころの生き方でした。 しかしこれからは残念ながら、ただ真面目にコツコツやっていて、ふと気がつくととんでもなく貧しくなっているかもしれない時代だと考えるべきでしょう。自分のおカネのことはもっと真剣に考えなければなりません。

個人の生活のためにも資産管理の知識は大切ですが、国家の競争力という意味でも、金融・経済に対する国民の理解というのは重要なのです。債券市場や株式市場が経済にとってどんな役割を果たしているのか、健全な金融市場が国民経済にとって如何にメリットがあるか、そうしたことへの理解のレベルが本当に低いように思います。特に絶望的な気分になるのは、日本では国のリーダークラスの人でさえも、そういうことに対する理解がないとしか考えられない事態がよく見られることです。自分のお財布の管理ができなかった首相、というのもまさに象徴的です。

ただ、リーダークラスの金融リテラシーが低くて許されるのも、結局国民一般が理解していないからでしょう。以前かんぽの宿問題で鳩山邦夫さんが、「2400億円で作ったものを100億そこそこで売却するのはおかしい」と因縁をつけた時に、なんとなく世論の支持を得てしまったのを見た時も、暗―い気持ちになりました。(鳩山さん本人は確信犯なのかもしれませんが。) 誰も欲しがらない高機能な製品をコツコツと作り続ける日本、というイメージが鮮明に湧きあがってきました。

真面目にコツコツやっていたらとんでもなく貧しくなってしまっているかもしれないのは、個人レベルの話だけではありません。国家レベルでも同じです。ものづくり信仰がヤバい、というタイトルで前にも似たようなことを書いたと思いますが、幸せな時代に築いた金融資産の蓄積を如何に有効に生かすのか、そのアイデアのないまま、気が付いたら金融資産は果てしなく劣化してしまっているかもしれないのです

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