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第一三共の株主総会 ~ 普通の製薬会社にもどって [楽しい資産運用]

今年のハイ・シーズンは、色々と予定が入ってしまい、たったの2社しか株主総会に参加できない、という事態。そこで厳選した結果、薬品関係2社でまとまりました。


昨日(23日)は、第一三共でした。バンダイナムコと重なって迷ったけれど、迷った時は、パッとしない方に行くべきでしょう。多大なる期待を持って買収したインドのランバクシー社を、失意のうちに(というのは勝手な脚色ですが)手放すこととなり、新興国戦略も何だか色あせて、元のとおりの製薬会社に戻りました、という冴えないストーリーで語られる第一三共です。

それにしてもしょっぱなから冴えない。ギリギリの時間になってしまい、会場へのエレベーターをせっせと昇っていると、逆向きのエレベーターには、既に手土産だけゲットして会場を去る株主が続々。なにやら気勢を削がれる光景です。ただこの会社の手土産は、自社製品のサンプルという位置づけですから、わざわざ貰いに来てくれる株主は、決して非難するには当たりません。

で、着いてみると、本会場に入り損ねて第2会場になってしまった。話を聞く分には支障はないわけだけれど、空気がタラッとして気楽な分、緊張感に欠けて物足りない。ちょっと私の気を惹いたのは、受付してくれた社員がインド人だったこと。もしや、売却の完了する来年はいなくなるのかしら。


前置きはともかく、総会の内容は、当初の期待よりポジティブなものではありました。

一番聞きたかったのは、ランバクシーについての総括というか、反省の弁というか。とにかく大きな損失を出したのですから、しっかり説明するのが当然です。本当は事業報告でやってほしかったところですが、質疑応答の中で、買収当初4884億円だった株式が、今は簿価で860億円、それを今回サン・ファーマの株式9%と交換することになり、その市場価額は契約日の4/6現在で2100億円。約5000億が2000億ぐらいになったわけで、だいたい3000億円の損、ということになります。

合併の詳細や今後の展開は、処理の完了する今年末以降に明らかにされるのでしょうが、ランバクシーと合併後のサン・ファーマは、インドで断トツのトップメーカーとなる、とのことですから、悪い話じゃなさそうですね。自分でやるのは無理だった、身の程を知った方法に切り替えることには成功した、というわけです。


ランバクシーは一応それで良しとして、新薬がちゃんと育つどうかがすべて、という普通の製薬会社に戻ったということですね。薬の専門でもない個人投資家としては、この後は新薬開発が成功するのを祈るしかありません。

女性の役員が居ない(実際には社外監査役が一人います)という指摘をした質問も有りました。分かっているんだけど、そう簡単に増えないよね、と言う感じの答え。まあ正直なところでしょう。それが現実。でも、経営には多様性が重要だとは考えている、という回答は、とても好印象。女性の活用の意味を多様性に見出しているということが、です。

そこが大事、と私も思う。女性の活用が社会的な課題だからやっているわけじゃない。男性だけじゃ足りないから女性に頑張ってもらう、というわけでもない。色々いたほうが良い経営が出来るからです。だから、役員会にはグループ会社のトップも参加しているのだ、と。買収した米国企業のトップは女性なのだそうです。

管理職レベルの女性が急に増えることは無いにしても、社内託児所を4か所設置しているというのはいいですね。最近、社内託児所というのは増えていると聞きますが、それなりの配慮があると言ってよさそうです。


第一三共の株主総会は3年ぶりでしたが、過去には何度も出席しています。ランバクシーがつまずきだしてからどんどん雰囲気が悪化したのですが、その3年前に現在の社長にバトンタッチ。現社長になってからは初めての総会ですが、以前に比べると、遥かによくなったように感じます。現社長にすれば、問題のランバクシーも自分がやったことではないし、淡々と処理を進めてきたということでしょう。会社の業績はともかく、今日の総会の印象は、ひと安心、といったところです。

もう1社は金曜日、大塚ホールディングの予定です。

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