ソニーの株主総会

初めてソニーの株主総会に出席した。ソニーなんて月並みな感じで、これまで行こうという気にあまりならなかったが、やっぱり個人投資家としては一度は行っておくべきでしょ、と思った次第。
多いだろうとは思ったけれど、一体何人来ているんだろう。上場企業の株主総会としては最大かも。私が入れたのはやっと第3会場。取締役の面々をスクリーンでしか見られないのはやはり残念、どうも興がのらない。

売上高、税前利益、純利益、どれも過去最高というけれど、正直なところ実感が湧かない。本当だろうか、と思ってしまう。落ちても落ち続けないところは流石、というべきだけれど、地道な努力で少しずつ改善してきました、というのが今のソニーの姿。世界をリードするような勢いはまだまだ感じられない。iPodの陰でWalkmanの名はすっかり忘れられてしまったかのようだし、WiiやDSの熱気に、ＰＳは比べるべくも無い。ロボットもやめてしまったし・・・。

配当が低いという不満の声は多かったけれど、私にはそれほどキャッシュが潤沢、というようにも見えない。キャノンやＴＤＫとはレベルが違う。株主からは、コニシさんという品のいいおばさまがひとり、配当はこれでよいからもっと技術開発に投資をして、また世界をリードしてほしい、と、経営者だったら涙出ちゃうようなことをおっしゃっていましたが、私としてもそれに近い感想。この状態のソニーには、取り立てて配当を増やしてもらう必要はないと思っている。

しかし、株主総会のもうひとつの大きなテーマとなっている取締役・執行役の報酬の個別開示の問題。これもやはり先のコニシさんがおっしゃっていたけれど、なんで開示しないことにここまで固執するのかわからない、と私も思う。ここで「日本的慣習」を持ち出すのも、なんだかなあ・・・。この釈然としない感じは、先進国の仲間入りだ、とばかりにロケットを飛ばしたりオリンピックをやったりしながら、環境や人権の話になると急に発展途上国の振りをする、どこかの国の態度と似てないかしら？